お客様より、キャンバス地（布素材）へのラッピングシート貼付についてお問い合わせをいただきました。
普段は車両の外装・内装への施工相談が多いのですが、今回は アート作品用途 ならではのご相談でした。

キャンバス生地は空隙の多い特殊な素材であり、私自身も過去に施工を行ったことがなかったため、
お客様とのやり取りから得られた知見をフィードバックとしてまとめました。

この記事は、キャンバス地のような 凹凸構造の素材すべてに共通 する内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

🟦 ■ キャンバス地は貼れる？貼れない？

🎯 結論：条件を整えれば貼れるけれど、広い面積はNG！

キャンバス地は「布の織り」で構成されており、
👇このように見えない凹凸が必ず存在しています。

＿／￣＼＿／￣＼＿／￣＼＿  ←キャンバスの織り

見た目や触感がなめらかでも、
繊維の谷・山による空隙は必ずある → 粘着剤が均一に接地しづらい。

そのため：

• 🔵 初期接着はつく

• 🔵 しかし時間で 浮き・剥がれ が起こりやすい

• 🔵 面積が大きいほど 密着不良 が増える

という性質があります。

🚗🆚🧵 ■ 車用ラッピングシートとキャンバスの相性

車両用シートは本来、
金属・プラスチックの“硬くて均一な平面” に貼る設計です。

対してキャンバス地は、

• フカフカ

• 起毛

• 無数の凹凸

• 糸の谷が深い

という、真逆の特性 なんですね。

例えるなら…

車のダッシュボードのシボ（ザラザラ）面 と似ていて、
あの上にシールを貼ると浮く感じ、あれと同じです。

🛠 ■ 施工前に知っておくべき3つの重要ポイント

① 🌫 ホコリ・起毛 → 浮きの原因 No.1

キャンバスはホコリを噛み込みやすく、
貼った直後は綺麗でも 数時間〜数日で浮く ことがあります。

👉 施工前に表面のホコリを軽く払うことが必須！

② ✨ “樹脂コーティング済キャンバス”は密着が向上！

お客様が実践された方法：

1. キャンバスに樹脂をコート

2. 表面がツルツルに

3. その上からラッピングシート貼付

4. → 完全密着したとの報告

これは非常に理にかなっており、

• 繊維の谷が樹脂で埋まる

• 粘着剤が均一に接地

• 浮きが激減

という改善が起きます。

👉 アート作品で安定性を求めるならおすすめの下地処理。

③ 🧴 スプレー糊で補強する時の注意点

スプレー糊を使うと、確かに密着UPしますが…

⚠ 注意！

• シート粘着剤との化学変化の懸念

• 経年で固着・黄変・硬化の可能性

• 剥がす際にシートが裂けるリスク

• 長期保存には不向き

👉 使うなら“薄く一度吹き”＋端材で必ずテスト！

🎉 まとめ

キャンバス生地へのラッピングシート施工は、
表面状態をどれだけ均一にできるか がカギになります。

• 樹脂コート → 密着性UP

• 小面積 → 施工が成功しやすい

• スプレー糊 → 補助として薄く

• 長期作品 → スプレー糊多用は避ける

このようなポイントに注意すれば、
アート作品として十分活用できます。

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