PET系ラッピングシートはPVC系と何が違う?剥離フィルムから見る特徴と注意点

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PET系ラッピングシートはPVC系と何が違う?剥離フィルムから見る特徴と注意点

「PET系ラッピングシート」と聞くと、ラッピングシートそのものがPET(ポリエチレンテレフタレート)で作られていると思われるかもしれません。

しかし、当店で扱っているPET系ラッピングシートの場合、ラッピングシート本体は一般的なラッピングシートと同じPVC(塩化ビニル)です。

違うのは、裏側の粘着面を保護している**剥離ライナー(剥離フィルム)**です。

今回は、このPET製剥離ライナーと一般的な紙製剥離ライナーの違い、さらに実際に商品を扱う中で分かってきたPETライナー特有の注意点についてご紹介します。


🔍 そもそも「PET系」のPETはどこのこと?

ラッピングシートの裏側には粘着剤が塗布されています。

商品として保管している間、この粘着面が露出してしまうと、ホコリなどが付着して粘着性能を損なう原因になります。

そこで、施工する直前まで粘着面を保護しているのが剥離ライナーです。

一般的なラッピングシートでは紙をベースとした剥離ライナーが多く使用されています。

一方、当店で「PET系」と呼んでいる商品では、この部分にPET製のフィルムが使われています。

つまり、

表面のラッピングシート → PVC
裏側の剥離ライナー → PET

という構造です。

そのため、「PET系だからPVCとはまったく違う素材のラッピングシート」というわけではありません。


📄 紙製剥離ライナーの特徴

一般的なラッピングシートで広く使われているのが、紙をベースにした剥離ライナーです。

紙には柔軟性があり、ラッピングシートと一緒に巻いたり加工したりしやすいという特徴があります。

一方、紙は周囲の湿度の影響を受けやすい素材です。

湿度によって吸湿・放湿するため、保管環境によって含水状態や寸法が変化することがあります。

長期間保管した古いラッピングシートを見たときに、裏側の剥離紙にも経年変化が見られることがあります。


🛡️ PET製剥離ライナーの特徴

PETフィルムは紙と比較すると、湿度による寸法変化が非常に小さく、形状を安定して維持しやすい素材です。

そのため、粘着面を覆うライナー自体の状態を安定させやすいという特徴があります。

ただし、ここで注意したいのが、

「PETライナーだから粘着剤が劣化しない」

という意味ではないことです。

粘着剤そのものの経年変化には、温度や保管期間などさまざまな要因が関係します。

PETライナーのメリットは、紙と比べて湿度などの影響を受けにくく、粘着面を覆っているライナーそのものを安定した状態に保ちやすいことと考えるのが適切です。


⚖️ では、PETライナーの方がすべて優れている?

ここが少し面白いところです。

PETは寸法安定性が高い反面、紙と比較すると硬く、形状を保持する力が強い素材でもあります。

これはメリットにもなりますが、ラッピングシートを巻いた状態で保管する場合には注意が必要です。

実際に当店でPETライナーを使用した商品を扱う中でも、この特徴を実感する出来事がありました。


🧪 実際に扱って分かった「巻き方」の重要性

当店では、152cm × 35cmなどにカットしたラッピングシートを丸めて保管・発送しています。

以前は、このとき中心に柔らかいスポンジ芯を入れて巻いていました。

ところがPETライナーを使用した商品では、巻いた外側にはテンションが掛かっているのに対し、柔らかいスポンジ芯では内側を十分に保持できない場合がありました。

すると巻きの内部に力が逃げ、部分的な歪みや筋が発生することがあります。

実際に一度この状態になったシートを広げ、熱を加えて状態を整えてみました。

大きな歪みは目立たなくなったものの、よく見ると薄い筋が残る場合がありました。

そこで現在は、PETライナーを使用している一部の商品について、柔らかいスポンジ芯ではなく硬い紙管にしっかり巻き付け、巻きが緩まないよう固定する方法へ変更しています。

つまりPETライナーは、

状態を安定させやすい素材である一方、その硬さゆえに巻き方や保管方法にも注意が必要

ということが、実際に商品を扱う中で分かってきました。


🏭 PVCシートにも「製造方法」の違いがあります

ここでもう一つ知っておきたいのが、ラッピングシート本体であるPVCの製造方法です。

PVCフィルムには、大きく分けてカレンダー製法キャスト製法があります。

🔄 カレンダー製法

PVC材料を加熱し、複数のローラーを通しながら圧延して薄いフィルムにしていく方法です。

ローラーによってフィルムを形成するため、完成したフィルムには製造工程で生じた内部応力が残ることがあります。

そのため、キャストフィルムと比較すると、時間や熱などの影響によって寸法変化や収縮が発生しやすい傾向があります。

💧 キャスト製法

液状の材料を平らな基材上に形成し、乾燥・硬化させてフィルムを作る方法です。

カレンダー製法のようにローラーで強く圧延して形成する方法ではないため、内部応力が少なく、寸法安定性に優れているのが特徴です。

車両の複雑な曲面などに施工する高性能なラッピングフィルムで、キャスト製法が採用される理由の一つでもあります。


🤔 PVCの製法と剥離ライナーにも相性がある?

ここからは、当店で実際に商品を扱ってきた経験から考えている部分です。

カレンダー製PVCには、製造時の内部応力によって収縮しようとする性質があります。

一方、PETライナーは非常に寸法安定性が高く、簡単には伸び縮みしません。

このように異なる性質を持つ素材を貼り合わせた状態では、PVC側の寸法変化とPETライナー側の寸法安定性の違いによって、条件によっては積層体に力が掛かる可能性も考えられます。

反対に紙製ライナーはPETほど硬くなく、湿度によっても寸法が変化する柔軟な素材です。

そのため、PVCフィルムの製造方法や特性に応じて、どのような剥離ライナーを組み合わせるかについても、メーカー側では加工性や保管性など複数の条件を考慮して設計していると考えられます。

ただし、

「カレンダー製PVCだから紙ライナー、キャスト製PVCだからPETライナーが適している」

と単純に決められるものではありません。

当店でも、今後さらに商品を扱いながら、それぞれの組み合わせによる違いを確認していきたいと考えています。


💡 「PETだから上位」という単純な話ではありません

PETライナーには、

  • 湿度の影響を受けにくい
  • 寸法安定性が高い
  • ライナー自体の状態を維持しやすい

といったメリットがあります。

一方で、その硬さや寸法安定性の高さから、巻き方や保管方法によっては歪みや筋などに注意する必要があります。

紙製ライナーにも、柔軟性があり、巻き加工などに対応しやすいという特徴があります。

つまり大切なのは、

「PETだから良い、紙だから悪い」ということではなく、それぞれの素材の特性を理解して適切に扱うこと。

当店でもPETライナーを使用した商品の取扱いを続ける中で、梱包方法や保管方法を見直しながら、できるだけ良い状態で商品をお届けできるよう改善を続けています。

ラッピングシートを選ぶ際には、表面の色や艶だけでなく、こうした裏側の構造にも少し注目してみると、それぞれの商品が持つ特徴がより分かりやすくなるかもしれません。

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