■カッティングシートとラッピングフィルムに違いはあるのか

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■カッティングシートとラッピングフィルムに違いはあるのか

今回は、見た目では、違いが分かりにくいカッティングシートとラッピングシート(ラッピングフィルム)の違いについてです。

カッティングシートもラッピングシートも原材料はPVC、ポリ塩化ビニルになりますが、カッティングシートは、マーカーや空間装飾などをするためのインテリアデザインやワンポイントマークなどが主な使用用途となるため、伸縮性がありません。装飾や切り文字などの加工後に変形して変形してしまうことを考えると当然と言えます。

これに対し、ラッピングシートは、車輛の外装・内装の平面だけでなく曲面にも対応するため、シートに伸縮性(※)を持たせてあります。※伸縮させるには、ヒートガンなどで温める必要があります。

何故、同じ原材料のシートにも関わらず、伸縮性に違いがあるのか?
シートの原材料を加工し、製造する際の重合度と可塑剤の濃度によって異なるためです。

重合度とは、(今回のシートについて言うと)分子レベルの塩化ビニルが繰り返し結合した度合いを数値化したものになります。数値が大きければ硬く低ければ軟らかいということになります。

可塑剤とは、以前にも記事に掲載しましたが、塩化ビニール樹脂に柔軟性を持たせるための添加物で、温めると分子運動が激しくなるためシートが伸縮する特性があります。

カッティングシートもラッピングシートも常温での柔軟性は殆ど変わりありませんので、重合度の度合いは殆ど変わりないと言えますが、温め時に伸縮性の違いが発生するため可塑剤の濃度が異なると言えます。

当方の取扱商品は、全てラッピングシートになりますので、温め時に柔軟性があります。もし、自分の使用しているシートがどちらか分からない場合、ヒートガンなどで温めながら曲面への貼り付けがスムースにできるか確認してみてください。

※カッティングシートも当然、可塑剤が若干は含まれているでしょうから全く伸びないということはありません。あくまでラッピングシートと比較してという意味です。

※カッティングシートは、ラッピングシートに比べると厚みが薄いので温めて伸ばすと色が薄くなりやすいです。勿論ラッピングシートでも伸ばしすぎれば色が薄くなりますが、こちらもラッピングシートと比較してという意味です。

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