■ハイグロス系および5D・6D系のクリアシートと商品柄シートの圧着について

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■ハイグロス系および5D・6D系のクリアシートと商品柄シートの圧着について

前回に引き続きハイグロス系および5D・6D系ラッピングシートについての記事となります。今回は、クリアシートと商品柄シートについて水分が入る構造についてです。

水分の侵入を防ぐためにはクリアシートと商品柄シートの間に接着剤を塗布し圧着すれば良いと考えてしまいますが、接着剤を塗布せず圧着をしているのには、製造方法が起因しています。

製造方法については以前の記事で掲載しておりますので、詳しい内容は割愛しますが、キャスト製法・カレンダー製法いずれもPVCを高温の状態で加工するため、接着剤は使用していません。

仮にクリアシートと商品柄シートの間に接着剤を塗布した場合、(想定になりますが)以下が発生することが考えられます。

①接着剤のムラが発生

商品柄シートは表面カーボン柄を再現するため、エンボス加工されており、商品柄シートの表面に凹凸があるため、クリアシートととの接着が均一にならずムラが発生してしまうため、商品柄の模様に影響が発生する可能性がある。

 

②クリアシートと商品柄シートの間での接着剤の熔化

これは、ハイグロス系・5D・6D系のシートをヒートガンで熱しすぎてしまった場合、熔化(ようか)という現象が発生します。この熔化は、クリアシートと商品柄シート内にたまった熱が内部にこもってしまい、内部のクリアシートが溶けてしまう現象を指します。

圧着面に接着剤を塗布した場合、施工時にヒートガンをクリアシートへ当てると、クリアシートの熔化よりも先にシートに塗布された接着剤の方が先に熔化してしまう可能性がある。接着剤が液体化し冷えると硬化するため、クリアシートが熔化したような模様になってしまう可能性がある。

 

上記のことからもハイグロス系・5D・6D系のシートは、施工時にシート端を折り返しするなどの処理を施さなければならないということになります。

※5D系は、シート端から水分の侵入のご連絡をいただくことはありますが、4Dハイグロスや6Dについては、柄シートの表面に凹凸がないためか水分の侵入のご連絡はいただいたことはございません。

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