■ポストヒーティングについて

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■ポストヒーティングについて
今回のポストヒーティングについては、前回の可塑剤の熱特性の続きになります。可塑剤の熱特性を理解していただくことで、ポストヒーティングが何故必要かのか理解が深まると思います。

ポストヒーティングとは、ラッピングシートの施工後にヒートガンで施工面を熱して縮まないように処理することを指します。

前回のラッピングシート内の可塑剤の熱特性では、熱が加わるとシート内の分子運動が活発になり、冷えると活動が落ち着く旨を説明しました。ラッピングシートを伸ばして施工した場合(無意識のうちにテンションを掛けているつもりでも伸びてしまっている場合もあります)、分子運動が再度活発になり剥がれが発生する可能性がありますが、施工直後にラッピングシート表面をヒートガンで熱し、シート内の可塑剤を蒸発させることでシートの剥がれを防ぐことが可能です。

可塑剤は、エステル化合物といって酸とアルコールの化合物のため、熱を加えると蒸発します(完全に蒸発ではなく少なくなるというイメージ)。シート内の可塑剤が少なくなれば、シートの柔軟性は失われますが、シート自体は堅くなりますので、密着した状態で固化するということは施工面にしっかりと接着した状態になるということです。

シートの温度が(表面計測器で)大体95℃ぐらいになるように熱し、伸ばした箇所を重点的にヒートガンを充てていきます。同じ位置で当て続ければラッピングシートが溶解する場合がありますし、外気温によっても変動要素がありますので、事前に95℃の温度で別シートで試してみながら施工することをお勧めします。

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  • kurikimasaru