■ラッピングシートの可塑剤について■

RSS
■ラッピングシートの可塑剤について■

 

ラッピングシートの主な原材料は、塩化ビニール樹脂になりますが、原材料のままでは堅いため、添加剤として可塑剤を加えて製造し、常温でも軟らかくなります。可塑剤は、塩化ビニール樹脂だけでなく、プラスチック・ゴムなどを軟らかくするために用いられる添加物質のことです。

塩化ビニール樹脂は、温度を上げると(分子の運動量が大きくなるため)軟らかくなりますが、常温になると硬くなる特性があります。塩化ビニール樹脂へ可塑剤を混ぜることで常温でも軟らかい状態が保持できるようなり、身近なビニール袋やポイントカードのような柔軟性のあるものへ加工ができています。

可塑剤が入ると何故軟らかくなるのか?これは、樹脂と可塑剤を分子レベルで見た場合、樹脂の隙間に可塑剤が入り込み、規則正しい状態を邪魔します。この邪魔が無いと樹脂同士が規則正しい状態となり硬い結合となりますが、隙間に可塑剤が入り込むことで軟らかい状態を作りだしています。この状態を専門用語でアモルファス状態(非平衡な準安定状態)といいます。

ラッピングシートは、塩化ビニールでできていますので、前述した通り温度が高くなると柔らかさが増しますので、加工しやすくなりますが、反対に温度が低い状態だと、(分子の運動量が少ないため)硬くなり柔軟性が失われますので、加工時には常温(15~25℃ぐらい)での施工を推奨します。※温度が高すぎると(柔軟性の問題ではなく)接着剤の粘着力が上がってしまうため、外温が高い状態での施工はお勧めできません。※意図しないところにシートがくっついたりという状況となってしまうため。

前の記事 次の記事

  • kurikimasaru