■ポストヒーティングについて2

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■ポストヒーティングについて2
以前、「ポストヒーティングについて」を説明させていただきましたが、一部理解が当方の理解が間違っていたため、訂正した内容を記載させていただきます。ポストヒーティングの施工方法が違っている訳ではなく、シートを再加熱した際のシート内の材質の挙動についてです。

可塑剤はエステル化合物が入っており、この物質のお陰で柔軟性が保持されていますが、ポスト―ヒーティングをすることでエステル化合物を蒸発させることでシートを固化すると記載しましたが、シート内部のエステル化合物は、施工時のような短時間での加熱処理では、揮発しません。
※長期間:半年~1年という単位であれば、紫外線や温度変化などにより徐々に揮発はしていきます。

そうすると施工時の再加熱処理で、可塑剤が蒸発しないのに何故シートが縮まないような処理ができるのか?ということになりますが、これは以下によるものです。

①可塑剤の再分散
ラッピングシートを加熱し施工した後、常温にもどるとシート内部では応力による綱引きが始まると以前説明しました。再加熱することで、シート内部の分子間の結合が緩和され、分子が流動的になります。再冷却時に分子が再配置された状態となり、その位置を保持することで、元の形状に戻りにくくなる可塑剤の特性を利用するものです。

②クリープ現象の軽減
ラッピングシートの素材であるPVCは弾性があるため、素材自体に加えられた力に対する応力が発生します。施工時の場合、元に縮もうとする力になります。シートを伸ばした状態で再加熱することで分子は安定的な場所へ移動します。再冷却時に安定的な位置で固定化されるので、応力が軽減され、シートは縮みにくくなるということになります。

上記より、施工時、曲面やRのある箇所は、平面よりもテンションを掛けて施工しているのでシートは伸張している可能性があるので、伸びていると思われる箇所をポストヒーティングすることで収縮を防ぐことができます。

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  • kurikimasaru