■外気温が低い時にラッピングシートが裂けるについて2

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■外気温が低い時にラッピングシートが裂けるについて2
今回の内容は、前回の外気温が低い時のラッピングシートの取り扱いについての続編になります。今回は、除氷時にラッピングシートが裂けた訳ではなく、施工後に割けてしまったという場合です。
 
この事象が発生する可能性は、外気温が低い時にラッピングシートを貼付し、アフターヒーティングを掛けずに施工を終了。昼夜で外気温差が激しくなる冬の季節に施工した場合、「裂ける」発生する可能性があります。

●何故、施工しただけなのに「裂ける」が発生してしまうのでしょうか?


前の記事でもお伝えしたとおり(「ポストヒーティングについて」や「可塑剤の熱特性について」)、ラッピングシートは、可塑剤が入っているので柔軟性があります。熱を加えると分子活動が活発になるため、非常に柔らかくなります。

柔らかい状態のシートを引っ張りながらボンネットやルーフに施工した場合、対象面にラッピングシートが接着した状態で、シートの温度が冷えてくると、シート内部では、接着剤の力で対象面にくっついている力と可塑剤が冷えることで縮む力との綱引き状態が発生します。

これが外気温が高い場合、当然シート内部の縮む力は減り、接着剤でくっついている力で安定、低い場合、縮む力が大きくなります。この力のかかり具合が外気温の激しさでいったりきたりを繰り返していると、施工時に引っ張って施工した面が一番接着が甘いのでその箇所から裂けるが発生する可能性があります。

勿論、外気温差のみで「裂ける」が発生する可能性は、除氷の時の「裂ける」よりは可能性としては少ないですが、発生する可能性はあります。

上記の場合での「裂ける」を無くすためには、①シート内の可塑剤をアフターヒーティングで蒸発させ、シート内部での縮む力を発生させないようにする。②施工時のシートを引っ張る際、テンションを掛ける程度の引っ張りにする。ヒートガンでの温め時に必要以上に引っ張らない。
①・②に注意して施工することで「裂ける」を回避することが可能です。

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  • kurikimasaru